バイオシミラー(バイオ後続品)を知ってください
ジェネリック医薬品については、認知度が高まっているのでご存じの方も多いと思いますが、ジェネリック医薬品にあわせて厚生労働省が使用促進しているバイオシミラー(バイオ後続品)については、ご存じではない方が多いのが現状です。
バイオシミラーは、バイオ医薬品の特許が切れた後に他の製薬会社から販売される薬で、特許が切れた薬と同じように使うことができるものです。
聞きなれない言葉ですが、まずバイオ医薬品って何ですか
バイオ医薬品は、バイオテクノロジー(遺伝子組み換え技術や細胞培養技術など最先端の技術)を応用して生産された、タンパク質を有効成分とする医薬品です。
細胞や微生物を使って作る薬で、インスリンや抗体医薬が代表的です。通常の化学合成薬とは違ってタンパク質や核酸などの大きな分子が主成分で、がん、自己免疫疾患、糖尿病などに使われています。
項目 | バイオ医薬品 | 化学合成薬 |
---|---|---|
作り方 | 細胞を使って作る | 化学物質を組み合わせて作る |
成分の大きさ | 大きくて複雑(タンパク質など) | 小さくてシンプル(分子量が小さい) |
投与方法 | 主に注射 | 主に錠剤などの飲み薬 |
対象の病気 | がん、自己免疫疾患など | 風邪、頭痛、感染症など |
製造のむずかしさ | 高度な技術が必要 | 比較的安定して大量生産できる |
価格 | 高め(開発・製造コストが高い) | 比較的安い |
では、国がバイオシミラーの普及に力を入れている理由は
国全体の医療費は医療技術や薬剤の高度化もあり年々増加しています。医療提供体制や国民皆保険を次の世代にも維持していくためには、医療保険財政について国全体で考える必要があります。
バイオ医薬品は開発製造コストが高いため、非常に高価で医療保険財政に大きな負担をかけています。
バイオシミラーは、先行バイオ医薬品の特許が切れてから作られる、同じような効果を持つ薬であり、成分や効き目、安全性などが先行品とほぼ同じであるため、その薬を使用することで医療費全体の削減に貢献できると期待されています。
薬剤にかかる医療費が減ると、患者負担も減るため、患者の選択肢拡大にも期待されています。
メリット | 説明 |
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費用が安い | 先行品より価格が抑えられており、患者や家族の経済的な負担の軽減につながる。(原則バイオ医薬品の約70%) |
治療補選択肢が広がる | 高価な先行バイオ医薬品では治療を受けにくかった患者もバイオシミラーの登場によって、同等のものが価格が安くなることにより、より多くの患者が利用できるようになる。 |
品質・効果が確認済み | 厚生労働省などの審査を通過しているため、先行品と同等の有効性・安全性がある。 |
安定供給の可能性 | 複数の企業が製造できるため、供給が安定しやすくなる。 |
実際にどんな病気の薬に使われているのですか
分類 | 病名 |
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自己免疫疾患 |
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がん |
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目の病気 |
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血液・ホルモン関係 |
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その他 |
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バイオシミラーはジェネリック医薬品とどうちがうの
ジェネリック医薬品は化学合成薬であるため有効成分は分子量が小さく、構造がシンプルであるため先発医薬品と有効成分が同じであることを確認するのは簡単ですが、バイオシミラーは有効成分の分子量が大きく構造も複雑であるため有効成分の同一性を確認するのは大変です。そのためバイオシミラーは新薬と同等のたくさんの試験を経て販売されます。
項目 | バイオシミラー(バイオ後続品) | ジェネリック医薬品 |
---|---|---|
元になる薬 | バイオ医薬品(生物由来) | 化学合成薬(化学物質) |
成分の構造 | 大きくて複雑(タンパク質など) | 小さくでシンプル(分子構造が明確) |
製造方法 | 生きた細胞を使う→微妙な違いが出る可能性あり | 化学合成→ほぼ完全に同じものが作れる |
同一性のレベル |
「ほぼ同じ」:同等性を確認する試験が必要 シミラーは日本語で「似ている」という意味で、有効成分は完全に一致ではない |
「完全に同じ」:有効成分が一致 |
承認のハードル |
品質・有効性・安全性の比較試験が必要 新薬同様の臨床試験等多くの試験を実施 |
生物学的同等性試験のみで済むことが多い |
主な投薬方法 | 注射が多い | 錠剤・カプセルなど、飲み薬が多い |
もっと詳しくバイオシミラーについて知りたい場合は、厚生労働省のホームページをご確認ください
- この記事に関するお問い合わせ先
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市民生活部 市民課
〒671-2593
宍粟市山崎町中広瀬133番地6
電話番号:0790-63-3108
ファックス番号:0790-62-2987
更新日:2025年10月03日