10月20日:御幸祭、令和に引き継ぐ
波賀町安賀
波賀八幡神社で、3年ぶりに御幸祭(お旅)が執り行われ、白装束等に身を包んだ氏子らの行列が、御旅所をめざして練り歩きました。御幸祭の歴史は鎌倉時代末期に始まると言われています。行列を成す人を75役と呼び、定められた家系の人が務めるというのは全国でもあまり聞かれないそうです。御幸祭を見ようと県外からの来場者もありました。
御幸祭はお旅とも呼ばれ、普段は神殿におられる神様が決められた神域(御旅所)へお出ましになることをいいます。元旦に籤を引き、その年に御幸祭をするかしないか決められます。「御幸」「休み」「〇」と書かれた籤があり「御幸」を引けばその年は御幸祭を行い、「休み」を引けば行わず、「〇」を引けば籤を引き直します。確立は半分半分ですが不思議と御幸祭が行われないことのほうが多いそうです。
大座の式の様子
大座の式は、簡単に言えば激励会のようなもので、斎主から75役を務める人に挨拶等があります。75役というのは、御幸祭で太刀などの備品や供物を持って行列を成す人のことを言います。波賀八幡神社の御幸祭の特徴は「決められた家系の人が75役を務める(行列を成す)」というもので、日本でも大変珍しいそうです。
神輿に奉仕する少女を少女神子と呼びます。神聖にして穢れなき者、神に近い存在であり、その条件に子どもが相応しいとされました。
少女神子は6人です。飯見神子、斉木(田路神子、有元神子)、上野(山田神子、中島神子、森下神子)が代々の神子で、一族結束して神子を送り出してきました。
騎馬に乗る少年を一ツ物と呼びます。一ツ物は斉木の岡田家本家の親族または岡田家が推薦する童児が務めます。常に神輿の前を進み、行列の先導、露払いの役割を果たします。
一ツ物が騎馬に乗る一方で、少女神子はおんぶをされて御旅所へ向かいます。一ツ物も少女神子も穢れを付けないということから自宅を出て帰るまで、地面に足を着けません。
御旅所祭で斎主が矢を放ちます。神の威を示すために行います。
御旅所祭で少女神子がお参りをする様子です。米を振りまいてお供えします。
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更新日:2019年10月31日